F.CESSチーム|医学教育の現場に刺さるシステムを。医学教育支援室には、「医療/看護を学ぶ人を支える」教育事業(FCESS)チームと、「医療の現場を支える」データ事業(PHR)チームの2つの柱があります。医学教育の現場に刺さるシステムを。(FCESSチーム)私たちが提供しているのは、大学の医学部向けの臨床・臨地実習支援システムです。医学科と看護学科の学生が卒業前に医療現場で行う臨床・臨地実習をサポートしています。この仕事に携わって初めてわかったことですが、大学の教育現場のICT化はなかなか手が付けられておらずほぼ紙ベースで行われています。教育を支援するシステムそのものが、ありそうで存在していませんでした。私たちが最初に仕事をさせていただくことになった福井大学医学部にはプロトタイプとなるようなシステムがありましたので、まずはそれをベースに新たなシステムを構築していくこととなりました。システムは外側から見ると単純に見えましたが、臨床実習の期間や年度、回る順番など内容が複雑で、大学によっても微妙に時期や内容が違います。いろんなパターンに対応できるように作るのが難しく、1年以上かけて何度も作り直しました。診療参加型臨床実習を充実させる | F.CESS https://new-hopes.healthcare/スマートな看護教育に調整 | F.CESS Nurse https://nurse.new-hopes.healthcare/2021年4月から本格的に販売を開始し、現在、医学部2校、看護学科はテスト利用を含めて10校で導入していただいています。今後は理学療法士、歯学科、教育学部の教育実習への展開や、卒業後の研修医にも裾野を広げていきたいと考えています。教育を支援するLMS(ラーニングマネジメントシステム)はすでに世にありますが、実習に特化したLMSに限るとそれほど競合は存在していません。最近、ウェビナー(webセミナー)でも私たちが開発したシステムの特性を発信していますが、実際に使っていただいた現場の先生方からは「いいね」と言っていただいていますし、紙で実習を行っている学生からは「これを使える後輩がうらやましい」という声ももらっています。紙だと書いたものを提出して翌日に取りに行って…となりますが、チャットだったらその場ですぐフィードバックできる。ICTを取り入れることで、効率化だけでなくタイムリーな指導で教育の質向上にもつなげています。さらに、最近では蓄積した指導データの活用に目が向けられています。学修進捗のやフォローが必要な学生の可視化から始まり、生成系AIの活用やデータ分析の研究など、ICTを活用したスマートな医学教育を展開していきたいです。メンバーは9名(2023年10月現在)。東京支社と福井本社に分かれていますが、それぞれの情報や課題を確実に共有しながらリモートで事業を進めています。一人ひとりが開発だけでなく説明会の講師や展示会での営業など複数の役割を担っており、主体的に物事に取り組めるモチベーションの高いメンバーたちです。現在は社内スタートアップ状態ですが、今後は、①事業としての成長、②製品を売るだけでなくお客様のICT化にまで深く関わる、③自社製品を増やす、という3点に重点をおき、さらなる飛躍をめざします。PHRチーム|医療機関をつなぎ、地域全体で患者を守る基盤づくりみなさんは、病院を変えるたびに同じ検査を受けたり、自分のお薬手帳が見当たらずに困ったりした経験はありませんか?あるいは、救急搬送された先で、意識のない患者さんのアレルギー情報を医師が即座に知る術がない、という現実をご存知でしょうか。これは医療機関ごとにシステムが独立していて、患者の診療データが施設の中に閉じ込められている(=情報のサイロ化)ことが原因です。私たちPHRチームでは、この「情報の壁」をデジタルの力で取り払い、必要なデータが必要な場所へ安全に流れる仕組みを創り上げています。私たちの現在の主力ビジネスは、点在する医療機関のシステムをネットワークで結び、社会基盤としての情報連携インフラを構築することです。1.医療機関の「壁」を越える(EHRの実現)現在、主に推進しているのが、「地域医療ネットワークシステム」や、国が推進する「電子カルテ共有サービス」の導入です。 これらは、地域の基幹病院・診療所・調剤薬局などが、患者同意のもとで診療情報(EHR: Electronic Health Record)を共有するための仕組みです。これにより、例えば救急搬送された患者さんの既往歴やかかりつけ医の処方内容を、搬送先の医師が瞬時に把握することが可能になります。私たちが構築しているのは単なる業務システムではなく、地域医療全体を支え、時には「命をつなぐ」ためのパイプラインなのです。2.システム間の「通訳」となる技術(標準規格の活用)しかし、異なる会社の電子カルテやシステム同士をつなぐのは容易ではありません。そこで私たちが技術的な武器としているのが、システム間の共通言語となる「標準規格」です。私たちは、厚生労働省が定める国内標準規格である「SS-MIX」の導入実績に加え、現在、世界的に主流となりつつある次世代の国際標準規格「FHIR(ファイア)」の導入にいち早く取り組んでいます。Web技術と親和性の高いこのFHIRを活用することで、これまで閉鎖的だった医療システムに「相互運用性」をもたらし、メーカーの垣根を超えたスムーズなデータ連携を実現しています。SEとして、国の流れ/最新の技術トレンドを社会実装する面白さがここにあります。データが「価値」に変わるエコシステム私たちが目指しているゴールは、病院同士をつなぐことだけではありません。その先にあるのは、医療情報が患者さん個人の手に戻り、人々の生活とシームレスに融合する未来です。1. 医療を「患者さん自身」の手に(PHRの推進)現在、私たちが新たに取り組み始めているのが、FHIR技術を応用した「データ連携システムの構築」です。これは病院(EHR)にあるデータを、患者さん自身がスマートフォンなどで安全に確認・管理できる仕組み(PHR: Personal Health Record)へと発展させるものです。自分の健康診断の結果、処方薬の履歴、アレルギー情報などを手元で管理できるようになれば、患者さんは「受け身の医療」から脱却し、自らの健康を主体的にコントロールできるようになります。私たちは、IT技術を用いて、医療と人との関わり方を根本から変えるお手伝いを進めています。2. データが巡る新たな「エコシステム」の創出さらにその先には、蓄積されたデータが新たな価値を生み出す未来が待っています。 標準化された医療データは、AIによる疾病予測、新薬開発のための研究データ、あるいは自治体の介護サービスとの連携など、医療の枠を超えて活用される可能性を秘めています。私たちは医療データを単に保存するのではなく、安全に「流通」させるための基盤を作ることで、様々なヘルスケアサービスが生まれる土壌(エコシステム)を育てています。 「病気になってから病院へ行く」という従来の常識を変え、日常のデータから健康を守る。そんな新しい社会システムを、デジタルの力で実装するお手伝いをしています。