組込み技術事業部は、家電製品や産業機器などの機械を制御する組込みソフトウェアを専門とする部署です。事業を始めた頃は、自動車、携帯・スマートフォン、民生機器など様々な分野向けのソフトウェア開発を行っていました。組込みソフトウェアは現実の装置や機械を制御するため、不具合がないことや短時間で処理を確実に完了できることが求められ、その開発ノウハウが必要となります。現在は、自動運転など高度化が進んでいる自動車・モビリティサービスが注力するマーケットとなっています。
近年の自動車は安全・安心や環境性能・エコロジーに対するニーズの高まりもあり、組込みソフトウェアの規模も増えています。2000年頃のクルマと比べると、今のクルマの中で動いているコンピュータの台数は約10〜100倍。やりとりする情報量は約200倍に増え、今後も電子化は進んでいく見込みです。
私たちが自動車分野に注力するようになったのは、AUTOSAR(オートザー)という国際標準規格にもとづくソフトウェア開発がきっかけです。AUTOSARはソフトウェアを部品化することで開発の効率化や流通を目的とした規格で、欧州が中心となって策定されました。弊社は、他社に先駆けてAUTOSARへの取り組みを進めるとともに、様々な設計向け規格やプラットフォーム導入などのソフトウェア開発ニーズに応えられるように活動規模を拡大してきました。
私たちの強みは、組込みソフトウェア開発のみならず、システム開発を効率的に行うための仕組みを検討し実現できることです。近年の組込みソフトウェアは、高度な制御・クラウドサービスとの連携・リッチな操作画面サポートなど複雑化が進んでおり、これまでの開発手順では効率的に進められない問題が顕在化しています。この問題に対処するには、複雑化した開発内容を横断的に扱える開発手順や手順実施を省力化・自動化する仕組み(ツールチェーン)が重要となります。私たちは、手順の実施内容を分析し、支援ツールを立案・開発することができます。
支援ツールを導入いただいた事例をご紹介します。
あるメーカーでは自社で仕様書を作成し、外部のソフトウェア開発会社に依頼してプログラムを開発するというスキームで開発業務を行っていました。メーカーの担当者様より、開発にかかる期間を短縮したいとの相談を受け、私たちが仕様書からプログラムコードを自動生成する仕組みを提案し、必要となるツールを開発して提供したところ、業務の外部委託が不要となりました。目的とした期間短縮を達成するとともに開発費用も低減され、メーカーの担当者様に大変喜んでいただけました。